東京都知事 小池 百合子

第31回日本エイズ学会学術集会・総会が来る平成29年11月24日から同月26日まで東京で開催されますことを、心からお祝い申し上げます。

日本エイズ学会におかれましては、松下修三理事長、生島嗣会長をはじめとする会員の皆様が日々、学術研究・普及啓発を推進され、HIV/エイズの予防・診断から、治療の充実まで多大なご貢献をいただいておりますことに、敬意を表します。

さて、HIV/エイズ患者・感染者の国内における報告数は約1,500件と高止まり状態であり、東京都はその約30%を占めています。

HIV感染症は、近年の医療の進歩により、早期発見・早期治療を行うことで、予後が大幅に改善し、感染前とほとんど変わらない生活を送ることが可能となっています。それとともに、長期療養に伴う糖尿病や腎臓病などの合併症などへの対応が必要となってまいりました。

東京都では、これまでも、HIV/エイズに関する正しい知識・理解の促進・予防について、都民への啓発を積極的に行うとともに、感染の早期発見のための検査件数の増加に向けた取組を進めてまいりました。

また、エイズ診療協力病院の確保のほか、症例検討などを通じた医療従事者への啓発や、全国に先駆けてのエイズ協力歯科医療機関紹介事業など、医療体制の整備にも努めてまいりました。今後、さらに療養支援体制を充実させていくことが重要と考えています。

今回、第31回日本エイズ学会学術集会・総会が「未来へつなぐケアと予防」をテーマに開催されますことは、時宜に適い誠に意義深く、その成果に大きな期待を寄せております。

会員の皆様、参加される当事者・関係団体の皆様には、本会を契機にさらに研究、交流を深め、HIV/エイズ治療等の発展に一層のご尽力をいただきますようお願い申し上げます。

本学術集会・総会が、皆様にとって実り多きものになることを、また、今後の皆様の益々のご活躍を心より祈念して、ご挨拶とさせていただきます。